ハウスクリーニング 料金を映し出す鏡

畳のスペースが家族団欒の推進役を果たします。
それには40センチ上げたというところにポイントがあるような気がする。
ふつうは、たとえばリビングに畳スペースを作ろうとすれば、ほとんどの場合部屋を広く見せるため、床面とフラットなものを考えがちだ。
ところがそこに寝そべると椅子に座った相手との目線が、一方は見下ろし、他方は見あげる態勢となって会話が成立しにくいのである。
40センチ上がることで、テレビでも観るように自然と視線が落ち着く。
話し掛けやすい状況になるだろう。
「読書で疲れたとき、寝転べるのがいいな」と病気のご主人が一番喜んでおられるというと、ひょうたんから駒のようだが、こうした、当初は予期しない好結巣や機能性をもたらすものこそが完成度の高いリフォームといえるのではないか。
美しさだけでは足りない、個性的であろうとするあまりユニークな空間が出来たのはいいが、暮らしに不便をきたしたり、担ぐ飽きが来るようではもちろんいけない。
その点、この例の場合、一つのリフォームがその家の暮らしを、家族関係を大きく好転させたのである。
不便とか、傷んできたとかがリフォームのモチベーションのもっとも大きな要因であることはその通りなのだが、出来ることなら以前にはなかった、思いがけない精神的な喜びや充足感を実現するリフォームであってほしい。
それこそがこの仕事に携わるものの喜びであり、やりがいであり、誇りであろう。
このお宅のようにすでに知り合いの、信頼できる業者がある場合はいいが、そういう心当たりがないときどうするか。
どこに依頼すればよいか、ポイントは何か。
設計事務所、リフォーム会社、建設会社・工務店について次に見てみよう。
業者を選ぶポイント設計事務所設計事務所の本来の仕事は建築物の設計である。
したがって本格的な注文建築の設計を得意とする。
大規模な高層ビルを手掛けるところもあるがそうした一流どころは総工費ン十億といった工事がメインのため普通の住宅のリフォーム設計を依頼するには敷居が高いだろうし、何よりよほどのコネクションがなければ引き受けてもらえない。
設計料もかなりの出費を覚悟しなければならない。
ではそういう大手でない、設計士数人規模のところはどうか。
少し考えればわかるが、数人規模とはいえ、事務所を構えて設計のプロをかかえ、事務員の1人もおいてやっていこうとすればどれだけ経費がかかるか。
電話帳に(いまならインターネットか)広告を出して、その引き合いだけではとても経営が成り立つものではない。
普通設計料は総工費の10%といわれる。
事務所の経費を仮に500万円とした場合、毎月コンスタントに5000万円の仕事が必要になる計算である。
まさかいつ来るかわからない仕事を当てにして事務所の経営をするわけにはいかない。
どういう仕組みになっているかといえば、建設会社と提携しているのである。
元請から下請け、孫請けまで、ここでも系列化され、組織化されているのである。
たとえばA建設会社が総工費5000万円の注文建築を請け負ったとする。
設計にかけれる費用は500万円。
A社は系列のB設計事務所に400万円で設計を依頼する。
B設計事務所はC、D、E設計事務所に300万円で設計をコンペ(競争)させる、という仕組みである。
施主にとっては.見不合理に思える仕組みだが、これはこれで機能しているのである。
孫請けの設計事務所C、D、Eはコンペに勝つために必死になっていいものを作ろうとするためだ。
もちろん激しい競争の裏には、自社の作品を採用してもらうための接待攻勢などがあるのは他の業界と変わらない。
その点、看板や電話帳の広告をみて直接依頼した場合はその設計事務所が元請になるため、設計料の500万円がまるまる自分のところに入ってくる〝おいしい″仕事である。
それだけ力が入るのは当然だが、その力を入れるR的、というか狙いが必ずしも施主の方を向いていない場合がある。
前述の有名建築家と同じで自分の個性や趣味を強く打ち出した、ウケを狙った作品作りに走ることがままあるので、やはり誠実に仕事をしてくれる、趣味や考え方に理解を示し、共感してくれる事務所と出会うことがポイントとなる。
リフォーム会社いうまでもなくリフォームを得意とし、専門とするのがリフォーム会社である。
リフォーム専門に窓Uが開かれているため、リフォームに関することなら気兼ねなくなんでも相談できる。
しかしそうはいってもやはり得意とする分野があり、リフォーム会社の看板を掲げているところなら安心というのは早計と言うべきだろう。
ここでも系列化が進み、自社の手に余る仕事については系列の他店から応援してもらうといった形でのネットワークを構築しているところが多い。
その場合、もちろん最終的な責任は窓口となった会社が負ってくれるが、⊥事に当たるのは見ず知らずの会社である。
そこに.株の不安が付きまとい、トラブルの原因をなしとしない不透明さがある。
リフォーム会社である以上、たくさんの実績があるはずだからぜひそれを見せてもらうといい。
個人の家だとプライバシーの関係もあって難しいことが多いが、商店なら何の問題もないだろう。
〝あなたの町のリフォーム屋さん〟をキャッチフレーズにしている会社なら、ことに近くに何軒かの施工例があるはずだ。
またどこでも施工前と施工後の比較写真をとってアルバムにしているはずだからそれを見せてもらうのもいい。
よく見ればその会社の得意とする分野が見えてくるだろう。
たとえば部分的にアップした写真が多ければ、そこは営繕型のリフォームを得意としているといった貝合である。
依頼する場合、最初は自宅に来てもらって打ち合わせするのは当然だが、本契約までにその会社を一、二度ぜひ訪ねることをオススメする。
リフォーム会社を謳っている以上、自社もそれなりに洗練された店なり社屋を構えているはずだからである。
もちろん、先に述べたル・コルビュジェのような例もあるから、一概には言えないが、しかし、コルビュジェの農家を改造した家というのも、見る人が見ればさすが!と感心するはずである。
その意味からいえば、住宅のリフォームであれば、女性の活躍している会社かどうかもひとつの尺度になる。
女性のプランナーを多く抱えている会社は、それだけきめ細かい対応をしてくれる。
男性では気がつかない部分への配慮が行き届くということだ。
ただ、ここでも女性であればいいというわけではなく、自分の価値観を理解できる人、趣味や考え方に共通点のある人がポイントになってくる。
建設会社・工務店ゼネコンとまでいかなくても、基本的にスケールの大きい工事が本業のため、リフォームには消極的なところが多い。
設計事務所の処でのべたように、強力なコネクションでもあれば別だが、普通は受けてもらえないと考えていい。
規模の小さな主務店でリフォームにも積極的に取り組んでいるところもあるが、これも本業はあくまで大規模工事であり、大手建設会社の下請け、孫請けであることを知っておきたい。
こういうところに依頼すると、仕事は現場の大工任せで、監督はほとんど顔を見せないということも少なくない。
それなら最初から大工に直接依頼したほうがよかった、となる。
また、建設会社はもともと建設工事が仕事であり、部屋のデザインがどうの、やれ家具の位置がどうの、といったことにそれほど意を用いないのは仕方のないことで、そこに住みやすさのためのプランやアイデアを要求するのは、社員食堂でフランス料理を注文するようなもの。
ホテルでどうぞ、と言われかねない。
やはり餅は餅屋へ、ということである。

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